飛行機力学入門の実装

飛行機のフライトシミュレータ作りたいことって往々にしてよくあるんだけど、とってもわかりやすくまとまっている記事が出たので紹介。

フライトシミュレータと言っても操縦して楽しむものではなく、飛行機のパラメータが与えられた時にどのような挙動をするかを調べるためのシミュレータの話しです。

octaveで6自由度飛行シミュレーションを行う(0)

octaveで6自由度飛行シミュレーションを行う(1)

octaveで6自由度飛行シミュレーションを行う(2)

octaveで6自由度飛行シミュレーションを行う(3)

航空力学の基礎の飛行機の運動のところとか、航空機力学入門の運動方程式のところは初見だと難解に見えるけど、実装してみるとこんなにシンプルになるんだっていうことがよくわかります。

MatRockSim

自分でも航空機ではなく飛翔体のフライトシミュレータをMatlabで作って公開していますが基本構造は同じようにシンプルです。 飛翔体フライトシミュレータはそのうちちゃんと記事にしないと・・・

https://github.com/ina111/MatRockSim

https://github.com/ina111/MatRockSim/raw/master/Matlab%20Rocket%20Flight%20Simulator.pdf(PDF)

Inapropのページ作った。

スクリーンショット 2014-06-11 00.54.15 (2)

OpenPropに影響されて、Inapropの専用ページ作りました。英語で説明ページが無いと存在が認識されないですし。

http://inaprop.ina111.org/

CSSはBootstrap使って、サクサクと。

時間のある社会人だったらInaprop改善したいところだらけだけど、他にやりたいことありすぎて、しばらく手を付けられそうにないです。。。。(汗

JAXAの原田さんの損失最小のプロペラ設計手法を実装してオープンソースにしているプロペラ設計ソフトは数少ないので、もうちょっと広まるといいのですが・・・

OpenProp紹介

スクリーンショット 2014-06-07 19.47.37

 

OpenPropという水中でのプロペラ、タービンの設計・解析のフリーソフトの存在を知ったのでメモ書き。

OpenProp

MITで研究されている水中のプロペラの設計・解析ソフトがフリーソフトになっています。自分は既に空気中の低レイノルズ数領域のプロペラ設計・解析のソフトを作っていたので、興味が出て、ひと通り動かしたり、資料を読んでみました。

ina111’s blog カテゴリーアーカイブ: プロペラ

概要

Matlabで書かれていて、OctaveなどのMatlabとソース互換のソフトでは動きません。必ずMatlab本体が必要です。アメリカの大学ではMatlabは頻繁に使われているみたいですね。

揚力線理論(Lifting Line Theory)が用いられています。CAITATIONに詳細な理論が書いてあるので、わかりやすいですね。

3DのCAD情報の出力もあるので水中プロペラ作りたい人は3Dプリンタで出力すれば簡単に作れます。すごい時代だ。

特徴

設計最適化

  • 軸流プロペラとタービンのブレードコード長、厚みについて揚力線理論での最適化
  • ダクト付きのものの設計と解析
  • パラメータを振っての設計と解析が可能

パフォーマンス解析

  • 最適設計されたプロペラの解析
  • 形状を与えられたプロペラの解析
  • キャビテーション解析
  • 応力解析

プロペラ形状生成

  • ソフト内で形状の3D表示
  • SolidWorksの3Dデータの出力

人力飛行機Daedalusの動画日本語字幕版

以前、人力飛行機の飛行距離記録を持つダイダロス(Daedalus)の記事を書きました。

ダイダロス研究

ダイダロス研究その2

youtubeにあがっているDaedalusのドキュメンタリー映像がとても良いって話をしていたわけですが、その動画に日本語字幕をつけてくれる稀有な存在が現れましたw

字幕つけてくれたMASAO氏は「鳥人間書類交流」というサイトも製作・運営していますし、鳥人間界隈に貢献していてすごいなぁと思います。

動画

Inaprop -プロペラ設計・解析ソフト- 紹介

Inapropというソフトを作りました.
β版という扱いですが,ある程度使えると思うので公開します.
β版ということでまだまだ自分でも確認しているバグもあります.エラーが起こったら報告していただければ幸いです.

Inapropリポジトリのexeファイル置き場

のView Rawからダウンロードしてもらうのが最新版です.

追記2014/08/11

英語での紹介ページを作りました。右上から日本語にも飛べます。

http://inaprop.ina111.org/

 

概要

Inapropは低レイノルズ数領域,具体的には人力飛行機や飛行船などの領域で使うプロペラを設計できるソフトです.低レイノルズ数という言い方は不適当で低円盤荷重という方が適当かもしれません.

exeファイルで公開していますので,インストールの必要はありません.
Windows専用です.Windows Vista,7での動作は確認していますが,他の環境は確認していません.

まだ機能を充実させていないので,正確な値は出力しません.人力飛行機でのおおよその値を見るのには使えます.特に低レイノルズ数領域でのDAE51という翼型の揚力係数以外の翼型の性能を反映させていない部分が致命的です.また,プロペラのような回転体において2次元翼型の性能と実際のプロペラの翼型性能はある程度の誤差があることが報告されていることも留意が必要です.
翼型データが固まっていないのでピッチ角(グラフでphi)の値は信用しないで下さい.ここは優先的に修正したいと思っています.
応援されれば機能追加する予定ですw

ちゃんとした機能のものが必要な場合,XROTORというソフトをオススメしています.

機能

  • 3つの設計手法に対応
  • 最小全損失のプロペラの設計手法(渦法)
  • 最小誘導損失のプロペラの設計手法(Larrabeeの手法,Adkins & Liebeckの手法)
  • 設計したプロペラのパラメータ変更時の解析
  • 複数プロペラの比較
  • 設計プロペラのCSV形式出力

必要なもの

Microsoftの.Net Framework 4が必要になります.

覚書

渦法(vortex method)においてはプロペラの渦法の論文も出されている原田さんから教わったことを元にしています.一般にはオープンになっていませんが,原田さんにコンタクトを取れば頂けるMatlabプログラムであるHiyokoPropをC#に書き直しているものです.このMatlabプログラムが非常にわかりやすく,勉強になるものになっています.
Larrabee method, Adkins & Liebeck methodについては該当論文を参考にプログラムに書き下しています.
渦法では計算時間がかかるのは損失最小のプロペラを計算するのに大域最適化問題を解くためにシミュレーテッドアニーリング法を使用しているからです.計算時間を考えて分割点が少ない上に収束条件が甘く設定しているのでガタガタになりますが,何度かやるとたまにいい結果が出ます.
Larrabee methodの方では誘導損失最小となるプロペラ条件を仮定していることから収束計算が無く,一瞬で計算が終わります.

ファーストリリース現在,解析の部分と翼型の性能を計算結果に反映させる機能をGUIと結びつけていません.テストが十分でないためです.今年の秋頃に時間があれば作り直します.

ライセンス

深く考えているわけではありませんが,MITライセンスに従います.
無償,無保証,利用/改造/再配布OK,著作権表示義務あり,二次利用においてソース公開義務なし,二次利用においてライセンス変更OK

リンク

最新版のソースはここに置いています.理論面ではここのRefarenceの論文集を参考になるかと思います.私の文章より紹介している論文を読むのが理解の近道です.

XROTOR周りの話は参考になると思います.

ソフトの立ち位置と利用場面をよく理解して,素敵に紹介してもらっています.