XFLR5のドキュメント日本語訳

前回の記事とpdfにそれなりの反響?を頂けた.公式に載せてもらったすぐ後に同じpdfファイルを中国語で翻訳する人が出てきたりした.良いソフトが世界に広まるのは胸が熱くなる.言語障壁のせいで日本だけが置いて行かれるのは我慢ならないとも思っている.

そんなこんなで,他のドキュメント2つも日本語訳してみた.

“Point is out of the flight envelope” というエラーが出るときの詳細説明と対策

http://dl.dropbox.com/u/3968380/ja_Point_Out_Of_Flight_Envelope.pdf

XFLR5の計算結果と実験値との比較

http://dl.dropbox.com/u/3968380/ja_Results_vs_prediction.pdf

今回も@dynamicsoarさんに校正して頂きました.ありがとうございます.

すぐ公式に載るはず.

日本語や中国語で翻訳する人が現れたのが影響してかver6.03からソフト翻訳の仕方が公開されるようになってた.なので,次のやるべき事はXFLR5のソフト自体の翻訳が第一だと思っている.

次にDLすると付いてくるGuideline.pdfの翻訳.

最近やっとマジメに学生業をやるようになったのと,ロケット作っている関係で暇も少なくなってきたので,協賛・同志の方がいればなぁと思ってます.とても一人でできる作業量ではないので.

読んだ本

関係ないけど,大学の図書館に「飛行機設計入門」という本を入れてもらって読んでみた.

昔は飛行機の本は重い本格派な本か全くの初心者向けの本しか無いと思っていたが,中間ぐらいのわかりやすい本があるなと思って読んだ

OpenRocket紹介

モデルロケットの設計をしようとするときに便利ソフトの紹介.

OpenRocket

オープンソースのモデルロケット設計支援ソフトOpenRocket

今まではRockSimSpaceCADが一般的だったが,

クレジットカードでしか買えないし,1ライセンスでそれなりのお金(60$~120$程度)がかかるなど一般に広まるとは到底思えないシロモノだった.

OpenRocketはGNU GPLライセンスのフリーソフト

Java仮想マシン上で動いているみたいでOSに寄らず起動させることができる.

他の有料ソフトでは中でどのような計算がされているかわからないのに対して,OpenRocketではドキュメントとして公開されている.

使い方はRockSimやSpaceCADとかなり似ている.

少し使ってみたところRockSimよりは機能が少ないがSpaceCADよりは便利な感じ.

SpaceCADとは永遠にさよなら出来そう.

OpenRocketで必要十分.

使い方

起動方法:.jarのファイルをダブルクリックするだけ!(JAVAのRumtimeがPCに入っていれば)

あとは英語を調べながらいじれば直感的に作れる!

プロジェクトの名前などを決めたら上のような画面になる.

sampleがあるので試しに表示させてみたところ.

フライトシミュレーションも充実している.

使うモーターもアメリカで市販されているものはほぼ全てデータがあるようだ.

推力データ

モデルロケットに使われるモーターのスラストカーブはここで見ることができる.全て英語だけど.OpenRocketでの推力データもここからのデータのようだ.

thrustcurve.org

推力データ以外にも解説など色々まとまっていてGood.

ドキュメント

このドキュメントがまとまっていてスゴイ.

OpenRocket自体が製作者の修士の研究であり,このドキュメントは修士論文からのもののようだ.

OpenRocket — Documentation

オープンソースソフトらしくロードマップが書いてあって,どのような機能が追加されるか検討されている.将来的にはRockSimを超えそうで目が離せない.

リンク

モデルロケットソフト

手作りロケット完全マニュアルアップデート

手作りロケット完全マニュアルという本で紹介されているソフトの著者自らのリンク集

リンク切れが多く,OpenRocketで多くのソフトは代用できる.

上のリンクにあるソフトのうち,以下のものはOpenRocketでは代用できないものだと思う.

固体ロケットモータ燃焼棒設計:Grain Design Program

抗力係数算定:AeroDRAG 4.5

スタイロや代替品のまとめ

スタイロフォームを買う用事があったので,性能がそんなに必要ないし,安い代替品がないかなと調べていた.

求めていたものはなかったが,調べたものをまとめてみた.

スタイロフォームなどの素材は一般名は「押出法ポリスチレンフォーム板(XPS)」という種類の素材であり,「発泡プラスチック保温材」の一種としてJISで規格としてまとめられている.

市場に出回ってる商品を作ってる会社は「ダウ化工」「JSP」「カネカ」の3社

同等品として出回っているがどこまで同じなのか不明.

JIS規格なので記述されている特性は同じだと思うが,以上,以下などで規定されているので製造会社によって異なるかも.

使った人に聞いてみると熱線で切断したときの毛羽立ち方やキレイに切れる感じが異なるということ.スタイロフォームが毛羽立ちにくいらしい.

値段は若干違う.

人力飛行機では多くがスタイロフォームIBを使っている気がする.

JIS規格でいうと1種b.

建築用断熱材として使われるときは断熱用フィルム(スキン)を貼っているものがあって種類が増える.

JIS規格

物性値 単位 1種a 1種b 2種a 2種b 3種a 3種b
密度 kg/m^3 20以上 20以上 25以上 25以上 25以上 25以上
圧縮強さ N/cm^2 10以上 16以上 10以上 18以上 10以上 20以上
曲げ強さ N/cm^2 17以上 20以上 20以上 20以上 20以上 25以上
熱伝導率 W/(m・K) 0.040以下 0.040以下 0.034以下 0.034以下 0.028以下 0.028以下
記号 XPS-B-1a XPS-B-1b XPS-B-2a XPS-B-2b XPS-B-3a XPS-B-3b

吸水量 0.01以下

燃焼性 3秒以内に炎が消えて,燃焼しない

熱変形温度 80℃

製品名

ダウ化工は水色系,JSPは黄緑系,カネカは白色

ダウ化工 種類
スタイロフォームIB 1種b
スタイロフォームB2 2種b
スタイロエースII 3種b
スタイロフォームEX 3種b
スタイロフォームRB-GK-II 3種b
スタイロフォームEK-III 3種b
スタイロフォームAT 3種b
JSP 種類
ミラフォームM1F 1種b
ミラフォームMA 1種a
ミラフォームM2F 2種b
ミラフォームMKS 3種b
ミラフォームM2RS 3種b
カネカ 種類
カネライトフォームスーパーE-I 1種b
カネライトフォームスーパーE-II 2種b
カネライトフォームスーパーE-III 3種b
カネライトフォームスーパーE-BK 3種b

参考

押出発泡ポリスチレン工業会

物性値は上からの引用.詳しくは必ずここを参照.

ダウ化工スタイロフォーム物性表

JSP製品情報ミラフォーム

カネカ カネライトフォーム