SNS社の燃焼試験の見学に行ってきた

家や研究室に引き篭って作業しがちな毎日だけど、今年の夏の最後の思い出に北海道に行ってきた。

行ってきたという言い方は非常にニュアンスが違って、お邪魔したという方が正確で、もはや北海道に足を向けては寝られず北枕で寝るしか無いと思っているほど。

一般にホリエモンロケットと呼ばれているSNS社のロケットの燃焼試験を見学に行かせて頂いた。

SNS社(なつのロケット団)というのは完全民間でロケットを宇宙まで飛ばしてビジネスにしようという会社で、ものすごく濃ゆい人たちの集まりの会社。あと数年のうちにSNSのロケットが宇宙に行く計画を立てている。無謀な計画というわけではなく、枯れた技術(すごくイイ意味。褒め言葉)を使って安価に宇宙に行くロケットを作って宇宙ビジネスの需要を創りだそうとしている。

冗談みたいに濃い人達ばかりで、本気かよ!?と思うけど、大真面目。

某機関のエンジニアからSF作家・漫画家・アメリカで航空宇宙学んできた人・ホリエモンに至るまで自分とは離れた世界の人のイメージ。

実際は明るく迎えてくれて、何でも教えて貰えてすごく居心地が良かった。

何より作業場が人力飛行機を作っていた頃と大きさ的に似ていて懐かしさを覚えた。

CAMUIロケットという北海道発のロケットを作っている植松電機の作業場所でSNS社の燃焼試験は行われている。

「ほっかいどおおおおおおおお」って叫びたくなるぐらい広い場所ではあるが、人里離れた場所というわけではなくて町工場の隣でロケット作っているっていう不思議な感じ。真ん中に立ってるのが無重力実験場。右が電磁石を作っている工場で左がロケット作ってる場所。

植松電機は社会貢献と言うと簡単に言い過ぎだが、利益以外のことを考えて研修施設があり、そこに宿泊させてもらった。

奥に見えるのがエンジンで大きな筒になっているのが消音のための設備。

今回は500kgf級のエンジンということで爆音を期待、もとい予想していたが、消音されていたので思ったより音は出ていなかった。実験時は9月なのに寒くて燃焼試験後はエンジンの排熱で熱いぐらいに温まった消音装置に入って暖をとっていた。笑

ハザードが起こったときにも安全なように点火スイッチのあるコントロール室はコンテナの中。

2回目の燃焼試験のときには点火のスイッチを押させてもらえた。暫くは忘れられそうにない強い思い出になった。

いくらでも書くことはあるが、とにかく色々と勉強になった。

細かいノウハウ的な話やこれまでの経緯。公式サイトなどでは出てこないであろうことまで聞けたのはこれ以上なく面白かった。さらに、雲の上の話じゃなくてギリギリ頑張れば自分でも手の届きそうなところに面白い世界が広がっているんだということに気付けたのは一時の嬉しさに収まらない長く続くべき大きな収穫だった。

何より楽しそうにロケット開発をしているのが強烈に印象に残った。

自分も人力飛行機作っている頃はあれぐらい楽しくやれてたけど、これから先でアレほど充実してものつくりが出来るのか考えさせられた。

サラリーマンじゃなくて自由業に憧れてしまう3日間の北海道だった。笑

SNS社にはちょっと前から色んなところで目にして耳にしてきて憧れを持っていた。そんなところに見学に行く機会を与えてくれたチーフエンジニアの牧野さんには感謝してもしきれません。