8月のことを11月の今更書くのはちょっと恥ずかしいけど、今年の活動をまとめる時期かなぁと思って書いてみる。
能代宇宙イベントの中でUNISEC(大学で宇宙系のことをやってる団体の集まり)のプロジェクトとしてUNISTAR(ユニスター)というものがあった。
途中からだけど参加して良い経験を得られた。
UNISTARの目的
http://unisonspace.blogspot.com/2011/10/unistarproject.html
に書いてあるんだけど、
- 学生ロケット団体間の技術交流
- 缶サットとロケットの交流
- テクノロジートランスファー
の3本柱。大学生でロケット作っている団体って両手に収まるぐらいはある。各地の学生ロケット団体が方針が違う・日数が少ない・自分たちのプロジェクトと同時並行・技術力()が違う、ということを乗り越えて1つのロケットを作り上げる!っていう熱いプロジェクトだった。
自分は当初は関わる予定はなく、サークルの後輩に参加させて他のところの技術なりプロジェクト運営方法なりを盗んできて欲しいなぁと緩く考えていた。
計画と製作
当初の予定では2機製作し、4発打ち上げる予定だった。
ペイロードにはΦ150の缶サットが入るように設計されていた。能代で打ち上がるものしてはちょっと大きめのサイズ。
これはARLISSというアメリカの砂漠でロケットを打ち上げてそのペイロードで各種競技をすることが「日本で」できるようにみたいな意図があった。
比較的大きなペイロードを積む割に、能代宇宙イベントでは限界の400mまで上げて、かつエンジンをロケット団体でよく使われているHyperTEK社のものを使うということとなった。これによってかなり厳しい軽量化要求があった。
そんな中、経験値の高い設計者の力や東海大の技術によって、すごく良い物が作れていた。(自分は何もしてない笑)
写真はダミーのペイロードを載せているところと分離開放機構部分。
1発目の失敗
8月22日UNISTAR1機目打ち上げ。この機体のペイロードはダミーのものだった。この打ち上げに成功すれば次の打ち上げで東工大松永研の缶サットを搭載する予定だった。
綺麗に打ち上げるものの、上昇途中で分離機構によって分離されるはずの部分(フェアリング)が外れるトラブルが起こった。しかもロケットのパラシュートと缶サットのパラシュートが絡まってしまった。
パラシュートは開いているものの落下ですぐには修復できない程度まで壊れてしまった。
すぐに原因究明されて、分離機構の不具合と軽量化しすぎのためにフィンの剛性不足だとわかった。
2機目の改造
その日夜の代表者会議でUNISTARプロジェクトをこれで手打ちにするか、どうかが議論された。
自分たちのチームは前日までに打ち上げが終わっていたが、他のところはこの後自分たちの打ち上げがあって人手が出せないこと、すぐに改修するのは大変だろうということで2機目の打ち上げを中止するかっ!という話しになった。
ここまで自分は参加もせずにぼんやり聞いていただけだったが中止にするにはあまりにも勿体無いものだと思っていたので、改修は任せてもらって2機目を打ち上げようと提案した。
みんな打ち上げたいという思いはあったので2機目も打ち上げることになった。
次の打ち上げまでは丸2日しかなく動ける人も少なかったので自分も本格的に動いた。2機目打ち上げを決めた次の瞬間には改造案を元に、近くのホームセンターが閉まるギリギリで駆け込んだぐらいだった。
2日間の真夜中まで続く作業でなんとか改良ができた。
具体的にはフィンの部分をホームセンターのスチール棚のから切り出して作った。それに金属部品修理用のエポキシパテをつかってフィンの剛性を上げた。
2機目打ち上げ
小雨の中、各大学の担当が気合をいれて準備が進められ2機目の打ち上げの準備がされた。
打ち上げ前がみんなの緊張感と盛り上がりが最高に達していた。
これ以上ないってぐらいの美しい打ち上げだった。まっすぐキレイに飛んでいった。
きちんと頂点でパラシュートがひらいて缶サットもまっすぐ降りてきた。
高くまで上がったのにランチャーのすぐ脇に降りてきた。
まとめ
打ち上げは完璧に成功だった。技術交流もかなり達成されて、すごく良いプロジェクトだった。目的の1つである缶サットとの交流はこの場所では出来なかったが、このあと缶サットを載せつつもりだった東工大松永研のプロジェクトチームがうちのチームに合流することになったことを考えると、もう1つ目的は果たせたのかと思う。
途中参加で美味しいところを持って行ってしまった感じになったが、みんなで1つのものを作って成功させる。それもかなり困難がある中、次に繋がる可能性のあるプロジェクトに参加できたことはとても良かった。